肘の手術が多い MLBの問題点

勝利を喜ぶ

MLBが抱えている問題点としてあげられるのが「肘の手術を受ける投手が多い」ということです。2010年にレッドソックスに所属していた田澤純一投手が故障していた肘の手術をおこない、2013年には同じくレッドソックスで、通算100セーブを達成したジョエル・ハンラハン投手が二度目の手術をうけました。毎年30人近くもの投手が肘に故障を抱え手術をしています。

「肘と肩は消耗品」という考えを持つMLBでなぜ、肘の手術を受ける人が多いのでしょうか。その理由の1つが「速い球をたくさん投げている」ということです。一般的に、遅い球よりも速い球をたくさん投げると肘が故障する確率が上がります。速い球を投げるには多くのパワーが必要であり、それが肘にダメージを与えてしまうためです。特にMLBは球速ランキングというのが宣伝されるほど速い球にこだわりを持っています。そのため若いときから球速をあげるために常に全力で投球するようになり、肘の故障を抱える投手が増えてしまいました。

もう一つの理由は「子どもにたくさん投げさせている」ことです。MLBは規模が大きいので名投手が現れると何十億単位のお金が動くので、各球団のスカウトは良い選手を見つけ出そうと必死になります。そんなスカウトたちのために大きな大会が数多く開かれるようになり、そこでは子どもたちに常に全力の投球を要求します。その結果として小さいうちから故障を抱え、プロになってから手術を受ける人が多くなってしまいました。